理想的契約形態~1年未満の定期借家契約
定期借家契約の決まりごとのひとつに、期間満了の6ヶ月前に家主から賃借人へ通知する義務というものがあります。
これを怠ると、期間が満了しても家主は契約終了を主張できません。
その場合は改めて通知を行い、その通知の日から6ヵ月後に契約終了が主張できることになります。
そして、この通知義務は、期間が1年以上である場合、の定期借家契約に適用されます。
つまり、1年未満の定期借家契約ならば、通知義務が適用されません。
たとえば契約期間が364日で、300日くらい経過したころに、賃借人が契約延長を是認できないほどの不良行為をおこなった場合、契約期間満了とともにただちに契約を終了させることができるのです。
期間満了後も、優良な賃借人とは引き続き364日間の定期借家契約を結びます。
これをエンドレスに繰り返すと、ずっと通知義務は不要で、不良入居者は1年以内に完全に退去してもらうことができます。優良な入居者とは、年に1回更新のために顔合わせをすることになり、勤務先の変更や子どもの出生など、ほぼリアルタイムに状況を把握できますから、大きなトラブルが発生する可能性を未然に防ぐことができます。
賃借人の権利が強くなった時代に、家主が対等に対抗できる、理想的な契約形態といえます。
これが1年以上の契約ならば、6ヶ月前通知の義務がありますし、入居開始からわりと早期に不良入居者であることが発覚した場合でも、退去してもらえるのは1年以上先ということになってしまいます。
賃借人とのトラブルをさけ、健全な賃貸経営を実現する契約形態が、1年未満の定期借家契約です。